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Channel: ムシをデザインしたのはダレ?
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蟻地獄の大アゴ そのメカニズム

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先日のオオゲジの記事で獲物に毒を注入するであろうキバの穴の写真を掲載しました。その回にezo-aphidさんよりキバで獲物を挟み込み体液をちゅーちゅー吸うウスバカゲロウ幼虫のキバに、そういった穴が写真から確認出来ないとコメントを頂きました。

オオゲジの脱皮殻

ウスバカゲロウ幼虫に限らず当ブログによく登場するクサカゲロウ幼虫のアゴのメカニズムが以前より気になっていましたので再度、ポイントを絞り深度合成することにしました。前回の深度合成は撮影する角度が悪かったせいか上手く写っておりませんでしたが今回、ようやく、ちゅーちゅー吸える構造が分かりました!

左手は裁縫用の針であります。拡大すると先端はまったく尖っておりません
左手はウスバカゲロウ幼虫の大腮の先端、尖りにとがっております
並べて撮影

穴など無く溝が入っております。大きく開閉はしませんが鳥のくちばしの様です
背面より撮影

キバの先端部。片方は若干みじかい。毛細管現象を利用して獲物の体液を吸汁しているのでしょう
アブラムシを短時間でペチャンコにするクサカゲロウの大アゴも同じ構造と推測出来ます

そして、長い方のアゴの先端片側にはノコギリ状の突起あり。サクサクっと獲物に刺さるように&簡単に抜けないように”返し”の役目もしているのでしょう。また短い方のアゴ先端は長い方のアゴの溝に収まっているように見えます。カートリッジ式の万年筆のよう。

今回もezo-aphidさんのおかげで、よいネタを記事にする事ができました(^^ ずっとクサカゲロウ幼虫のキバ先端には穴が空いていると想像しておりましたが、この構造だとアブラムシが出す粘液も詰まる事無く、へっちゃらですね!

2012年撮影の記事より

今年7月の記事より


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